「先生っ…!」
駆け寄ってきた雫の母親と同じように、俺も医者に近づく。
そのまま近くの個室に案内されると、俺は何も言えずにただ医者を見つめる。
「先生!!
雫はっ…無事なんですか!?」
「かなり重症で亡くなる可能性は
大いにあったのですが……
一命はとりとめました」
「よかっ…た……」
へなへなと座り込んだ雫の母親の横、俺も今までの緊張がすうっ…と抜けて近くの椅子に腰かける。
よかった……雫は生きてる。
それだけで何もかもどうでもよくなるような心地がした。
だけど…目の前の医者の表情は固い。
「ただ……安心はできません。
亡くなることはないと思いますが、
頭を強く打っているので…
もしかしたら何か障害が
残ってしまうかもしれませんし」
確かに…あの時、雫は強く地面に叩きつけられていた。
頭からも出血していたし…安心できないのは事実だ。
ぎゅっと唇を噛みしめる。

