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『手術中』のランプをじっと見つめ始めてから、3時間が経とうとしていた。
なのに、ランプはいっこうに消える気配がない。
静かな病院の廊下には俺以外誰もいなくて、壁にかけられた時計の秒針の音くらいしか聞こえなくて。
そのことが俺の不安を煽っていく。
病院内の薬の匂いに少し気持ち悪くなって、外の空気を吸おうかと思い、ソファーから腰をあげかけた……その時だった。
「雫っ…!」
廊下に聞き覚えのある声が響いて目を向けると、そこには雫の母親が看護師と接触したのが見えた。
ひどく狼狽しているその姿に、胸がズキッと痛む。
「あのっ……
雫は大丈夫なんでしょうか!?」
「まだ分かりません。
ただ今手術中なので……」
分からない、という言葉に心臓が早く脈打ち始める。
頼むから……生きていて。
死ぬなよ…雫……。
お前が死んだら、俺は……―――。
「くそっ……」
ぎりっと歯軋りをしたのは、自分があまりにも不甲斐ないから。
取り返しのつかないことをしてしまった自分が心底憎い。

