小さい頃から…ずっと言われてたの。
お母さんに、
『公園に行くときは、
坂道を下ったらちゃんと止まって
道を確認するんだよ』
って。
ここの道はたくさん車が通るからね、って言い聞かせられていたんだ。
いい子だったあたしは、
『うんっ!』
って、ちゃんと頷いて…言いつけを守ってきた。
でも…感情に負けてしまった悪い子のあたしは、とんでもないことを引き起こしてしまったの……―――。
ドンッ!!
鈍い音が響いたのと同時に、自分の体に重い衝撃が襲う。
それは思っていた以上に強くて、次の瞬間にはあたしの体はコンクリートの地面に叩きつけられていた。
「雫――――っ!!」
光輝の叫びにも近いような声が辺りに響いたのに、何もできない。
瞼を持ち上げることすら、つらいんだ。
体のあちこちに痛みが走って自由に動けない。
ただ光輝が走ってくるのは地面が伝える振動で分かった。
それと……辺りが騒がしくなってきたことも。
「雫っ!!」

