一瞬、時が止まったかのような感覚に襲われる。
多分光輝が動きを止めたのと、静かな住宅街にいるからだろう。
ゆっくりと光輝があたしを振り返る。
そして……
「……どうした?」
不思議そうにあたしに言った。
「…っ……」
どうしよう……?
ものすごく緊張するよ。
言いたいことは昨日の夜に考えたはずなのに、まったく思い出せない。
おかしいな、さっきまですらすら言えてたのに。
でも……ずっと黙っているのもおかしいよね。
俯き気味だった顔をゆっくりとあげる。
そして光輝のことを見据えて、一歩彼の方に近づいた。
伝えたいことがあるの。
でも、その前に……
「聞きたいことがあるんだ」
これだけは聞かなきゃいけないと思っていた。
自分の気持ちを整理するためにも、光輝の答えを知りたい。