もしかして……気づいてた?
あたしがずっと上の空だったこと。
「お前、俺の話全く聞いてないだろ」
「……ごめん」
やっぱり幼馴染みってすごいな。
こんな短い時間なのに、あたしの異変に気づくなんて……自分が光輝の立場ならきっと無理だと思う。
……不快な思いさせちゃったかな?
そう思ってそわそわしていると、頭にぽん…と手を置かれた。
見ると、光輝は穏やかな表情であたしを見下ろしていて。
視線が絡むと、すっと目を細めて口を開く。
「何考えてるか知らねぇけどさ…」
「……?」
「ちょっとくらい頼れよ」
そう言った光輝はどこか寂しそうだったけれど、あたしには分からなかった。
光輝のその言葉は真剣なものなんだろうか。
少しでも期待している自分が恥ずかしいような気がしてくる。
そのまま素で受け止めると傷つきそうで……怖くて。
でも気になったから、あたしは光輝に言った。

