「じゃ」
そのまま軽く手を上げて、あたしに背を向けた光輝。
ちらっとあたしを見た時の、小さな笑顔が印象的だった。
そして、あたしの家とは逆方向へと姿を消していく彼。
それを呆然と見つめることしかできないあたし。
いろいろと頭の整理ができなかった。
あの泣き虫だった光輝が、いまの人だというの…?
こんなこと認めたくないけれど…
まさか、こんなにカッコよくなっているとは思わなかった。
意外だったのだ。
信じることができなかった。
もちろん外見もだけど、あまりに性格も変貌していたのだから…。
あたしのうしろにいつもくっついて、泣いていたあの日々がとても遠いことのように思われた。

