歩幅を合わせてくれる彼が好き。
車がきた時に無言で腕を引っ張って、安全な場所によけさせてくれる彼が好き。
優しい彼も、意地悪する彼も……全部好きなんだ。
伝えたいこの気持ち。
フラれようがどうなろうが構わない。
早くこの気持ちを口にしたいんだ。
でも…やっぱりタイミングが掴めない。
「でさ~」
光輝がさっきの告白してきた人たちの話をしているのに、相槌を打ちつつも頭の中は告白のことでいっぱいだ。
……どうしよう?
そう悩み始めた時だった。
「……わっ!?」
急に腕を引っ張られてバランスを崩す。
しかも前方ではなく、下から引っ張られたから無理もないことだった。
強制的にしゃがみ込まされて初めて、今自分がいる場所が通学路でないことに気づく。
辺りを見回して、ここが公園であることを確認してから光輝を見ると、優しげな表情である一点を見つめていた。

