「もしフラれたら…
あたしが殴ってやるから大丈夫」
「……本当に?」
「…いや、実際はあたしもコクるかも。
OKしてもらえたりするかも~」
「……愛子」
「冗談だって!
雫、目が据わってるから」
こんなやり取りができるのも、お互いのことをよく知っている愛子だけだ。
からかってはいるけれど、実はあたしのことを考えてくれる愛子が好きだ。
……本人に言ったら調子に乗るから、絶対に言わないけど。
心なしか緊張がほぐれた気がした。
そんな時……
「悪い、待たせたな」
告白ラッシュを乗り切ったらしい光輝が戻ってきた。
時計を見ると、意外と愛子と話して時間が経っていたことに気づく。
そして、愛子は
「……頑張って」
とあたしに耳打ちすると、手を振って教室を出ていってしまった。
「……ありがと」
「ん?何か言ったか?」
「ううん、何でもない」
机の上にあった自分の鞄を肩にかけると、教室のドアに寄りかかって座っていた光輝の元に駆け寄る。
あたしが側に来たのを確認すると、いじっていた携帯をポケットにしまって立ち上がる光輝。

