光輝が言ってくれなかった、という事実が突き付けられて胸がぎゅうっ…と締め付けられる。
どうして…あたしには言ってくれなかったの?
やっぱり復讐したいから?
だったとしても…せめて教えて欲しかったな……。
窓の外の景色がじわっと滲んできて、慌てて服の袖で拭う。
こんなことになるなら、昔いろいろしなきゃよかった…だなんて何度後悔したことだろう。
でも、何度悔いても悔いきれないよ……光輝。
――――――その時だった。
「……雫」
部屋の外から静かに名前を呼ばれて、体が大袈裟なほどに跳ねた。
この声を……聞き間違えるはずがない。
「……入るぞ」
……何よ。
今まで何も言わずに入って好き勝手やってたくせに。
一瞬の間の後、部屋のドアが開いて部屋に入ってくる音が聞こえた。
それなのにあたしは光輝に背を向けたまま、振り返ることができない。
彼もそれを分かっていたのか、あたしの後ろに来たものの振り返させることはしなかった。

