「光輝君、来週からまた海外に戻るのよ」
ガンッと頭を鈍器で殴られたような感覚に襲われる。
さらっと言ったお母さんの言葉は簡単なはずなのに、頭で理解するのに時間がかかった。
「あーあ。
お母さん、二人が付き合うの
本当に楽しみにしてたのにな」
いつもならそんなお母さんの言葉に反論したりするのに、今日はそんな余裕がなかった。
嘘…でしょ?
あの夢が正夢になってしまうの…?
そう思うと胸がじんとしてきて泣きたくなってきたけれど、光輝が何かを言いた気にこっちを見つめていたから我慢した。
「ふーん…いいんじゃない?別に」
今の気持ちに気づいて欲しくなくて、また可愛くないことを言うあたし。
でも、なんとなくだけど光輝にはバレている気がした。
とりあえず、この空間から早く出たい。
「ごちそうさま」
「あっ!こら、雫!」
後ろからお母さんが怒っている声が聞こえたけれど、それどころじゃなくて。
あたしは逃げ出すようにリビングを出た。

