彼の親指があたしの唇を撫でてきて、ぞわっと体に鳥肌が立つ。
そんなあたしを見て光輝はくすっと笑ったあと、ぐっと顔を近づけてきた。
そのまま女の子を魅了しそうなほど甘い声で囁く。
「俺…今かなり暇なんだよね。
昨日早く寝て目覚めよくってさ」
だからって人の睡眠を邪魔するのか。
なんて自分勝手なやつなんだ。
……まあ、最初から分かっていたことではあったけど。
「だからさ…」
「……?」
「ちょっと付き合ってよ」
「え……わっ!?」
光輝の言葉の意味が分からないまま、気づけばあたしの視界は反転していて。
起き上がりかけていた体が再びベッドに沈んだのだと認識するのに、しばらく時間がかかった。
「ちょっ、と……」
身をよじってみたけれど、両手首を掴まれてベッドに押し付けられる。
そして光輝はあたしの両手を片手だけでまとめ上げると、残った片手であたしの顎を持ち上げてきた。

