――――俺に惚れちゃった?
悪戯っぽくあたしに笑いかけた光輝に、あたしの我慢が限界をむかえた。
「んなわけっ…」
そう言って、肩に回った手を振り払う。
そして…
「そんなわけ…ないでしょっ!!」
普段は絶対にしないのだけれど、光輝に対する癖か…
あたしは光輝に手を上げた。
でも……
パシッ…
「……つっ!?」
軽い音がして、掴まれるあたしの手。
空しくも光輝に止められたようだ。
「……弱いな」
「……っ…」
「まぁ…しょうがないよな?
俺、男だし?」
「くっ…」
勝ち誇ったように笑う光輝に、敗北感をおぼえる。
こいつ…いつの間に……