相合い傘~俺様な彼と最悪な再会~【更新中】



「咲いてる……」



……そう。


あたしが今日わざわざ遠回りしてきたのは、公園に咲いた桜の花を見るため。


修学旅行前には全然咲いていなかった桜も、暖かくなってきたからかちらほら咲き始めていた。


桜の木に近づいて、立派なそれを見上げる。


無意識のうちに自分の口が緩んでいく。


やっぱり桜は好きだ。


見ていてすごく心が温かくなるから……。


そのままどれくらい桜に見とれていたのかは分からない。


はっと我に返って腕時計を見ると…


「あっ!遅刻するっ……!」



予鈴が鳴るまであと10分弱という時間になっていた。


あたしは電車通学じゃないからまだいいものの、これはさすがに走らなきゃまずい。


慌てて鞄を肩にかけて公園を立ち去ろうとする。


でもその前にふと思って、あたしは立ち止まった。


そして、桜の木を振り返る。


「……帰りも来ます!」



にこっと笑って敬礼すると、あたしはそのまま駆け出した。