いきなりの彼からの拒絶の言葉に、伸ばしかけていた手が動きを止める。
それは思ったよりもあたしの心にずしん、とのし掛かってきて。
鼻の奥がつん、としてきた時。
「今触られると…何するか分かんないから」
「……え?」
「お前が思ってるような意味じゃない。
だから…ショック受けるなよ」
………すごい。
最初に思ったのはそれだった。
なぜなら光輝はあたしの顔を見ていないのに、思っていたことを当てたのだから。
そして、その光輝の言葉で暗くなりかけていた心がすっと楽になるのが分かった。
「……よし」
そうこうしているうちに落ち着いたのか、光輝が顔から手を外して起き上がる。
そして、あたしの目を真っ直ぐ見て言った。
「……悪い。
さっきも言った通り、これ以上ここにいると
雫に何するか分かんないから…
今日はもう部屋に戻るわ」
「……うん」
「怖かったらメールしろよ。
お前が寝るまでは起きててやるから」
「もう大丈夫だよ」
「……そうか?」
頭をぽんぽんと撫でられる。
上目遣いで見上げれば、光輝は少し嬉しそうだった。
「じゃ…そろそろ戻るから」
「うん…おやすみなさい」
「おやすみ、雫」
光輝は最後にあたしのおでこにキスを落とすと、窓から隣の部屋に戻って行って。
それを見送ってからあたしは再びベッドに入ったものの、当然のことながら眠りにつくことはできなかった。

