ドサッ……
あたしは成す術もなく押し倒されていた。
白い天井を背景に、光輝の顔が視界いっぱいに映る。
ヤバい……。
この流れは完全にヤバい。
頭じゃなく、本能がそう言っている。
ゆっくりと近づいてきた光輝の顔にどうしたらいいか分からずに、気づけばあたしは叫んでいた。
「なっ、なんで…」
「……は?」
「なんでっ…先生は光輝の部屋に行かなかったのっ?」
明らかに苦し紛れなのが分かるような質問。
だけど、光輝はあぁ…と言ってから答えてくれた。
「俺が家にいる時、夜になったら
部屋のドアノブに『Don't disturb』っていう
札(フダ)を提げてるの知ってるよな?」
「あ…そうだったかも」
「あれを持ってきて、あらかじめ提げてただけ。
ってことで、この話は終わりね」
「!」
気休めを出来たのは本当に一瞬だけ。
止まっていた光輝が再び動き出して…
「ちょっと待っ…」
「もう待たない」
慌てて光輝の胸を押したけれど、その手までも掴み取られて、
「んんっ…」
とうとう唇を奪われた。

