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あれから一番遅く帰ってきたあたし達はそれぞれ自分の部屋に戻った。


他の生徒はみんなお風呂に行っていたから、絶対に会わないと思ってたのに…


「うっふふふ…」


「な、何よ…気持ち悪いな」



よりによって一番バレたくない愛子に目撃されていて。


もちろん質問攻めにあったあたしは、すべて話す羽目になってしまった。


…と言っても、さすがに光輝の夢のこととかはカットして話したけど。


話し終えた時から、愛子がこんな調子だから本当にどうしようもない状態だ。


「いいな~雫ばっかり」


「え、別によくな…」


「いやっ、羨まし過ぎるから!

 あたしも秋山君にお化けから守られたーい!」


「ははは…」



守るっていうか…コースアウトしたけどね。


それで海沿いを二人で歩いて、なぜかキスまでしちゃったしね。


……こんなこと、愛子には口が裂けても言えないけど。


とりあえず、愛子にそのことを聞かれないか一部始終ヒヤヒヤしていたあたし。


だけど…


ピンポンパンポン


『まもなく就寝時間のため、
 生徒の皆さんは自室に戻ってください』



愛子からは結局質問されることなく、就寝時間になってしまった。