「でも……」
「……うん」
「俺はさ……弁護士になりたいんだ」
「え?」
予想外なその言葉にぱっと顔をあげて光輝を見つめると、あたしを見ていたらしい彼は恥ずかしそうに目を逸らした。
「正しい判断をして…
悪人から人を助けられるような弁護士に」
そう、だったんだ……。
光輝の顔はふざけているようには見えなくて。
それが妙にあたしを納得させた。
光輝が弁護士か……。
なんか……想像できないな。
似合わないとかそんなんじゃなくて、イメージができなかった。
ただ光輝はやることはしっかりやるタイプだから、光輝なら弁護士になれるんじゃないかな。
「でもさ…」
「……?」
「父さんは反対するんだぜ?
そんな難しい仕事より、
あとを継いだ方が確実に稼げるって」
そう言って、自嘲気味に笑う光輝にあたしは海を見つめたまま声をかけることができない。
下手に口出しすると、余計なことまで口走りそうで怖かった。

