あれから森を抜けて、海側に出たあたし達。
本来のゴールからは少し離れたところから出てしまったけれど、遠くに今日の宿泊ホテルが見えるから帰れそうだ。
「……」
「……」
さっきからお互い黙ったまま歩くあたし達。
相変わらず右手は光輝に繋がれていて…なんだか顔が火照る。
でも……ちょっぴり嬉しかった。
ザブーン…ザブーン……
押し寄せてくる波の音があたしの耳に届く。
空を見上げると、満天の星空に満月が浮かんでいて。
月光が夜の海を輝かせていた。
んー……今のこの状況でも心地いいから、別に問題はないんだけど。
何か話題ないかな?
少しだけ先に進んでいる光輝の背中を見つめつつ考える。
……あ。
あれこれと考えていると、ふと思い出したことがあった。
光輝に聞こうと思ってたことがあるんだ。
「……ねぇ」
「ん?」
さっきから何も話していなかったせいか、久しぶりに言葉を発した気がして声が掠れる。
だけど、光輝にはちゃんと聞こえたみたいでこっちを振り返ってくれた。

