目の前に立ちはだかったお化けに対し、悲鳴を上げて逃げまどう。
驚かす側としたら本望だろう。
だけど、こっちからしたら大迷惑だ。
「もぉ…無理っ……」
走った疲れとお化けへの恐怖から訳が分からなくなり、涙が溢れてくる。
ざっと横の林に飛び込み、一際大きな木の下に来るとあたしはしゃがみこんだ。
お化けが先生って分かってても、怖いものは怖い。
「うぅっ…ひっ、く……」
怖い…なんであたし……
唯一怖いのダメなのかな?
やっぱりペアになっとけばよかったかも……。
そんな身勝手なことを考えつつ、涙を拭うこともせずにあたしは体育座りをする。
しばらく嗚咽を繰り返していた……その時だった。
ガサッ…ガサガサッ……
なにかが草を踏みしめて近づいてくる音が聞こえてきて、反射的に立ち上がる。
やだっ……なにっ?
正体が分からないからこそ怖くなる。
ここまで先生が追って?
それとも別の……。
それが後ろから近づいてきているのが分かっているけれど、振り返ることができない。

