「おい」
「な、に……」
「大丈夫かよ?」
らしくない言葉に顔を上げれば、そこには本当に心配していそうな光輝がいた。
だから…どうしていいか分からなくなるんだって。
いつもみたく意地悪そうに言えばいいのに、こういう時にふと真面目な顔をするのはズルいよ。
すっと光輝から目を逸らして、
「大丈夫、大丈夫……」
半ば自分に言い聞かせるように呟く。
そして、あたしは光輝から逃げるように走り出した。
あれだけ嫌だった肝試しの入り口に自ら飛び込んでいく。
そのことを後悔したのは、少しあとのことだった。
早く行けばいいよね?
まっすぐ走って行けばいいよね?
目をぎゅっと瞑ったままやみくもに走るあたし。
実はこの肝試し、道はとても簡単でただ森の中を真っ直ぐ進んで抜けるだけなのだ。
あとは夜の綺麗な海を白い砂浜を歩きながら眺めて帰るという、最後にはロマンチックなコースが待っていると聞いた。
ただ、途中の過程がくせ者なんだけどね……。
「うーらーめーしーやー」
「きゃああああっ!!」

