みんなの声が遠くて、自分の心臓の音だけがやけにリアルだった。
そんなこと言われたら…修学旅行どころじゃなくなっちゃうよ。
何もされていないのに、心臓が激しく脈打ってる。
「はぁ……」
とりあえず、自分の席に戻って机に突っ伏すあたし。
ただ無心にそうしていたけれど、少し離れたところから始まった会話にあたしは耳を澄ませた。
「秋山君!
夜みんなで遊びに行ってもいい?」
「あー多分いないかもしれない」
「ええっ、何で!?」
「秘密。教えてあげないよ」
「……はぁ」
女の子達が彼の魅力にやられてか、ため息を漏らすのを聞きながら、あいつ上手く逃げたな…と心の中で思った。
……ま、夜は先生も見回りに来るし廊下とかは出歩けないもん。
来れるわけなんてないよね。
そう無理矢理自分に言い聞かせて、あたしは突っ伏していた顔を上げたのだった。

