「お前の嫌がることをやってやる」
「え…」
「そう言ったよな?」
「……!」
不適に笑う光輝の前、あたしは息を呑んだまま固まることしかできない。
………そうだよね。
光輝にとってあたしは復讐する対象でしかないもんね。
嫌がることをするって言うくらい…あたしのこと嫌いなんだ。
……あれ?
そこまで思って、はっとする。
なんで…こんなに胸が苦しいんだろう。
そして…光輝が夜部屋に来ることは嫌なはずなのに……どうして心強いとか思ってるんだろう。
自分でもよく分かっていない気持ちに戸惑っていると、急に腕を引っ張られた。
ぱっと顔をあげれば何かを企んだように微笑む光輝がいて。
それすらも様になっているから、世の中の不公平さをあらためて実感した。
「覚悟しとけよ?」
「っ、」
「泣いても叫んでも……逃がさないから」
光輝の言葉に体がぞくっとするのを感じる。
何て顔してんだよ、と意味の分からないことを小さく呟いてため息を落とした彼は席を立ってどこかに行ってしまったけれど、あたしはそのまま動くことが出来ない。

