「雫、こっちこっち~!!」
「愛子~!」
どうやら愛子は先に来てクラス表を見てくれていたようだ。
にこにこ笑うその顔から、次に何を言いたいのか予想がつく。
「高校生活3年目もよろしく~」
「もちろん!」
笑ってそう返事しながら、きっと愛子はこれから先もずっと付き合っていくんだろうなぁ~なんて考えていた。
「そういえばもうすぐ修学旅行だね」
「あ、確かに」
毎年進級してすぐに設置されている修学旅行。
これはクラスの人と早く仲良くなるための学校の方針らしい。
あたし達は今年高3になったわけだけど、修学旅行は普通にある。
なぜかというと…あたし達の学校の人はほとんど大学受験をしないからだ。
実はあたし達の学校は幼稚園から大学まである名門校。
さらに大学もかなり名も知れているところだから、みんな受験しないというわけだ。
よほど酷くない限りみんな進学できるけど、自分の行きたい学部に行くためには勉強はしっかりやらなきゃいけないんだけどね。