「~~♪」



クリーニング出したての制服に身を包んで、鼻歌を歌いながら歩いているのは……紛れもなくあたし、松原雫です。


今日はとうとう高2進級の日。


つまり、始業式がある。


あたしな学校はちょっと変わっていて、3月の終わりにクラス替えという少し早い進級なんだ。


しかも、選択する科目を変えない限りずっと同じクラスという仕組みが導入されている。


だから、クラス替えといってもメンバーはほとんど変わらないってことだ。


高2になって科目を変える人なんて滅多にいないから、今年も顔見知りの人だろうけど。


やっぱり進級は楽しみだ。


「……あ!」



校門をくぐったところで、見慣れた人物を見つけて思わず小さく声を上げる。


それに気づいた彼女はあたしに笑顔を向けてきた。