「な、んで……」
第一声がそれだった。
だって…光輝があたしにくれる理由が見つからないもの。
なんであたしなんかに……
「お礼…するって言ったじゃん」
復讐という単語が頭の中でちらついて混乱していたのに、光輝のその言葉で一気に状況を理解する。
この間のバレンタインのお返しのことを言ってるんだ。
「う、受け取れないよ……」
「……なんで?」
いつもよりも弱い口調のあたしに、光輝が眉をぴくっと動かして聞いてくる。
それに答えるように、あたしは恐る恐る口を開いた。
「あたしがこの前にチョコをあげたのは、
今までいろいろしてもらってたからなの。
恩返しのつもりだったんだよ」
「……」
「だから…もらったらまた借りができちゃう」
「……」
何も言わない光輝が怖くて、彼を見ることができない。
自分勝手だと思ったのかな。
そして……あたしと光輝、先に行動したのは光輝だった。
相変わらず無言の光輝がゆらりと動く。
そして…何も言わないまま、手に持っていたチョコをあたしの制服のポケットに押し込んできた。
ちょ、ちょっと!?
あたしの話、聞いてました?
唐突なことに驚いてぱっと顔をあげれば……そこには意地悪そうな顔をした光輝がいて。
一気に冷や汗が出てくるのを感じた。

