「疲れた……」
「お疲れ~モテる女はつらいね」
「あんたのせいでしょ、まったく…」
あたしがどんな目にあってるか知らないから、こんなに呑気でいられるのよ。
はぁ……放課後どうしよ。
うだうだ考えて、お弁当を食べようと箸箱に手をつけた時だった。
「――――雫」
背後から聞こえてきた、聞き慣れている声に体がピクッと跳ねる。
顔なんて見なくても分かる気がした。
……彼がちょっと不機嫌だったこと。
それに気づかないふりをしよう。
そう自分に言い聞かせて、あたしは振り返る。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「あ、光輝どうし……」
「松原さん」
あたしが言い終える前に誰かに遮られる。
見ると、そこにいたのは他クラスの男の子で。
………また、か。
自然とため息が漏れる。
てか、人が話してる時に遮るのってちょっと失礼だよね。
でも、その男の子は悪びれる様子もなくあたしの目を見て言った。
「ちょっといいですか?」
「あ……」

