「ううん。今は住んでないよ」
「今は…?」
「うん」
どういうことだろう?
あたしが首を傾げているのに気付いたのか、その男の子はくすっと笑って口を開いた。
「昔、ここら辺に住んでたんだ」
「へぇ…」
「だけど…
久しぶりに一人で戻ってきた…って感じかな」
…………一人?
そこが妙に引っ掛かった。
制服はうちの学校。
ってことは、高校生でしょ?
なのに、どうして親と一緒じゃないんだろう?
気になった点ではあったけど、なんだか聞いちゃいけない気がして、あたしは押し黙った。
「そう…なんですか…」
あ…会話が続かない…。
話題を探していると、
「………あっ!」
不意に彼が口を開いた。
見上げると、ふっと優しく笑われる。
「名前…まだ聞いてなかったね」
「あ…」
確かに…名前聞かなきゃ…

