「さんきゅー」
そう言って、何の悪意も感じられない笑顔を向けられて。
「……ん」
今の自分の顔を見せないために、あたしは光輝から背を向けた。
それに気づかずに光輝は再び水やりをしに、あたしから離れていく。
ドクン…ドクン……
心臓が激しく脈打っているのが分かる。
そして、自分の顔が真っ赤なのにもとっくに気づいてる。
あたし…最近絶対におかしい。
なんか、光輝と一緒にいると胸が苦しいんだ。
すっごく鼓動が早くなって、どうしたらいいか分からなくなる。
特に彼が不意に笑った時とか…彼と手が触れた時とか。
でも……―――。
……キュッ
溢れそうになっていた水を止めるために、慌てて蛇口を捻る。
そして、あたしも光輝と一緒に水やりを再開した。

