何故かは分からない。
ただ胸の奥が少しだけチクッと痛んだ気がした。
あの二人が何を話そうが関係ないことなのに。
ここを立ち去ることができなかった。
駄目って分かってはいるけれど…やっぱり聞きたいんだ。
屋上が沈黙に包まれる。
そして、それを破ったのは光輝の方だった。
「……で、話って何?」
見えないけれど、光輝がすかした顔をしているのが想像できる。
てか…こいつ分かってて言ってんな。
こんなとこに呼び出すなんて、一つしかないじゃない。
なんか些細なことにすらイライラする。
どうしちゃったんだろ、あたし。
よく分かんないけど、胸がモヤモヤして気分が悪い。
とりあえず、二人の会話に耳を集中させる。
「あっ、あの…」
「ん?」
「あたし……」
うーん……。
やっぱり姿をちゃんと見たいかも。
そう思ったあたしは後藤さんがモジモジしている間に、二人にバレないようにドアをもう少しだけ開けた。
それによって二人の姿が見えるようになる。

