バタンッ
解放された屋上のドアが閉まるのを確認して、あたしも最後の階段を駆け上る。
そして中には入らずに、とりあえず様子を見ることにした。
恐る恐るドアのガラスから顔を覗かせると、まず先に暮れかけたグラデーションの空が見える。
そこから下に目線をずらすと、光輝の背中が奥に進んでいくのが見えた。
まるで何か目的を持っているみたいだ。
どうしたんだろう?
気になって少しだけドアを開けてみる。
冷たい風に体を縮めながら中を覗くと、
「あっ!」
あたしが視界にとらえるまえに、可愛らしい女の子の声が屋上に響いた。
ん……?
どうやら光輝が目的を持って進んでいたのは、間違いではなかったらしい。
「来てくれたんですね!」
………あ。
この声ってもしかして……?
そう思って、狭い隙間からよく目を凝らすとあたしの予想通りの人物がいた。
「ありがとうございます。
本当に嬉しいです」
………後藤さん。
そう、光輝のことを待ち構えていたのは紛れもなく、昼に教室に来ていた後藤さんだった。
どうやらさっき光輝のもとに来たのは、これのためだったらしい。

