「愛子!」
にこにこ笑っている愛子だった。
「雫…追ってるのね」
「うっ……」
なんか愛子にバレているのは承知だったけど、改めて面と向かって言われると恥ずかしい。
俯いていると、愛子がくすくすと笑うのに気づいてさらに顔が赤くなるのが分かった。
そっと頭を撫でられて顔を上げる。
愛子は笑っていた。
でも、それは意地悪そうな笑顔じゃなくて心からのもので。
思わず見とれたあたしに、愛子はゆっくりと口を開く。
「頑張れ!」
告白に行く前の女の子に言うような感じの言葉に、大したことでもないのに気合いが入る。
ぽんっと肩を叩いて、愛子が横を通りすぎていく。
その背中に、
「あ、ありがと!」
少し声を張って言うと、愛子は背中を向けたまま手をヒラヒラさせて去っていった。
「……よし」
そのままあたしも光輝の去っていった方に足を進める。
あれ…どこに行ったんだろ?
確かにこっちに行ったはずなんだけど……。
キョロキョロと光輝の姿を探すけど見当たらない。
もしかして…見失った?
そう思って、曲がり角を曲がった時だった。

