でも、どうしても家に帰って渡すのは避けたい。
頭の中にお母さんのにやにやした顔が浮かんでくる。
うっわ…想像するだけで悪寒が。
そしてめんどくさいわ。
もういいや、光輝が暇になるまで待とう。
そう思ってゆっくりと鞄を片付ける。
そして振り返ると、ちょうど光輝が最後の女の子からチョコを受け取って教室を出ていくところだった。
ヤバい、見失うっ……!
慌てて鞄を肩にかけてあとを追う。
廊下に出ると、光輝は貰ったチョコを鞄にしまって歩き出していた。
その時にふと見えた鞄の中。
げ……。
あいつの鞄の中、ほっとんどチョコじゃん!
ただそれだけのことなのに怖じけそうになる。
っ、ダメダメ!
あたしにはちゃんとチョコを渡してお礼をするっていう義務があるんだから!
無理にそう言い聞かせて、光輝にバレないように追いかける。
しばらく追っていると……
「えっ…」
急に後ろから腕を掴まれた。
そのことに驚いて振り返る。
するとそこにいたのは……

