「……光輝」
ちょっと不機嫌そうな光輝だった。
何か言うのを躊躇っているような光輝に、あたしは首を傾げる。
どうしたんだろ……?
さっきまで女の子に囲まれてたんじゃ……って、げ。
思わず顔をしかめてしまったのは、さっきまで光輝がいたところに群がっている女の子達があたしのことを恨めしげに見ていたから。
こいつ…あの子達の相手しないでこっちに来たの!?
あたしが恨まれたらどうしてくれるんだ、まったく……。
「……あのさ」
「秋山君!」
光輝が何かを言いかけたところで、可愛らしい声が邪魔に入った。
遮られた本人はというと、見られないように嫌そうな顔をしたあと振り返る。
それにつられるようにあたしも光輝の背後に目を向けた。
あ……後藤さんだ。
後藤さんとは学年でもかなり可愛いと言われている女の子だ。
男の子からもかなり人気が高く、狙っている人も多いらしい。
その彼女の視界に映っているのは光輝のみで。
あたしなんかまったく映っていないようだった。

