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そして…とうとう今日はバレンタインだ。
あたしの鞄の中には数個のチョコが入っている。
そして、もちろん光輝の分も含んでいるのだ。
うぅ……結局作ってしまった。
昨日、家族みんなが寝たのを確認してこっそり作っちゃって。
今思えば、あたしかなりはりきってたかも……。
あんなやつのために?
あたしがヒヤヒヤしながら作ったなんて…なんか負けた気分だ。
……別に最初から勝負なんて何もしていないのだけど。
とぼとぼと重い足取りで校舎内に入る。
バレンタインということもあってか、校舎内はいつもより賑やかな気がした。
「し・ず・く~?」
あたしを見つけるとすぐに、にやにやしながら近づいてくる愛子。
聞きたいことなんて分かってる。
でもなんだか恥ずかしくて、あたしは投げやりに言った。
「っ、作ってきたわよ!」
「お、えらいえらい」
幼い子供にするように愛子が頭を撫でてきたから、顔が赤くなっていくのが分かる。
作ってきたことはもう仕方がない。
だけど、あたしには一つ不安なことがあった。
「で、もさ……」
「ん?」

