「雫…秋山君来てから雰囲気柔らかくなったし」
「そんなこと…」
「ある!」
「………」
そうかなあ……?
あたしはこれといって変わってないと思うんだけど……。
かなりの付き合いの愛子がそう言うんならそうなのかもしれない。
「とにかく!
恩返しのためにもあげるのよ!」
「……うー」
「雫のチョコ欲しがる男なんて
いっぱいいるんだからね!」
「……はあ」
また意味の分からないことを。
女の子からのチョコだったら、男の子なら誰だって嬉しいに決まってるでしょ。
それに別にあたしじゃなくたって光輝は沢山女の子から貰いそうだしね…。
きっとあたしからのチョコは喜んでくれないよ。
……だって、光輝にとってあたしは復讐する相手なのだから。
そう思うと、なぜか胸のどこかがチクッと痛んだ。
それが何の痛みなのかは分からなかったけれど。
とりあえず、愛子にチョコの買い出しに着いてきてもらお。
そう言ってあたしは再び教科書と向き直ったのだった。

