「神山先輩?」
「そうだよ~この幸せ者っ!」
「愛子だって…
この前一緒にいた彼氏とは?」
「あぁ…あんなのとっくに別れたよ」
早いなぁ…
彼氏できたって報告から、まだ1ヶ月も経ってないんだけど…
「まぁいいや、じゃあね~」
「うん、バイバイ」
愛子に手を振りながら、ふと疑問が生まれる。
確かに、あたしと神山先輩は付き合ってる。
でも…
本当にあたしって幸せ者…?
そう…かな…?
あたし達は付き合って、もうすぐ1年が経つ。
だけど…
手を繋ぐだけで、キスすらしてない。
本当に好きなのか、不安になることだって沢山ある。
これでも…幸せ者って言うのかな…?
あたしが贅沢なだけ…?
そんなことを考えながら帰ったせいで、神山先輩との会話は上の空だった。