「てか…そろそろ起きてんじゃねぇの?」
光輝の言葉に胸がドキッとするのが分かった。
やだ、バレたくない……!
でも事態はあたしにとって最悪な方に進んでいた。
「寝てんなら…何にも反応しないだろ?」
はっ!?
何だ、その根拠のない台詞は!
そんなことを思ったけれど、前髪にかかってきた光輝の吐息に余裕が一気になくなる。
前髪が揺れるくらいだから、かなり距離は近いだろう。
顔が赤くなってないか心配だ。
てか……こいつ何するつもりなの!?
「俺の目は誤魔化せないんだけどな?」
そう言った直後に唇に触れた柔らかい感触。
目を瞑っているから、それがキスだと理解するのに時間がかかった。
ちょっ、ちょっとお!?
でも、触れるだけのキスだと思っていたあたしは甘かったらしい。
気づけば光輝の舌があたしの唇を開いて口内に侵入してきていた。
逃げることもできずにあっさりと囚われるあたしの舌。
こうなってはもう光輝のペースだから、あたしはなすがままになるしかない。
「……強情だな」

