「ふっあ~ぁ」



見慣れた雪がちらつく朝。


あたしの欠伸の白い吐息が灰色の空へと消えていく。


あたしは、松原雫。


秀英高校の1年生。


って言っても、もう1月だからもうすぐ2年生だけれど。


重い瞼を擦りながら、口元をマフラーに埋める。


すでに踏まれた雪の上を歩いて学校へと向かう。


実は…今、遅刻してる。


けど…


あたしの学校は緩いから、何限からでも怒られない。