あたし、藤堂梓。中学二年生、13歳の彼氏なし(泣)。
でもまぁ、あたしには王子様がいるから。
それは塾の佐々木先生。
かっこよくて、優しくて、頭よくて。
あたしの憧れの王子様。

だから、クラスで一番のイケメンとか、イケメンと思えない。
だから、ぜっっっっっったい学校での恋愛なんてないと思ってるの。
なんたって、王子様がいるからね。
クラスの男子なんて落ち着きはないし、うるさいし。
ぜんっぜんかっこ良くなんて見えないんですけど。
嗚呼、やっぱり私には王子様しかいないわ!
ベシッ。
そんなことを考えていたら、いきなり何かで頭を叩かれた。
「いったっ」誰だよ!
「なーにボケッとしてんのよ。」
「なーんだ、優香か。」
この人、中本優香。あたしとはクラスが同じで、仲が良い。
「なーんだってなによ!(笑)」

そんなこんなで日常が始まる筈だった。
のに…