五龍城の中で月明かりに照らされ虹色に輝く白い髪で金色の瞳をした女性が本を読んでいた。
『へぇーこんな神話がこの国にあったのねー』
書物室の端に座り色あせた古い本を読んでいるのはこの国の…
“五龍国の姫”。カヨ姫。
『まだまだ面白そうな本がありそうね♪』
次の本へ手を伸ばそうとすると横から手が延びてきた。
「見つけましたよ姫様」
長身に黒髪で腰に剣をさしているこの男の名はジン。
……一応幼なじみで私の護衛。
『はぁ…よりによってジンに見つかるなんて最悪』
大きいため息をつく。
「酷いですねー毎日姫を守ってるのに」
そう言っているわりにはニヤニヤしている。
『…どーせ罰として俺の剣の相手しろとか言うんでしょ』
読み終えた本を本棚へ片付けていく。
「流石姫様。よくわかってるねぇ」
