ピンポーン
と部屋の主を呼ぶ音に気付いたのは
ついさっき。



もうすぐ夕食が出来るのに…



そんな事を思いながらエプロンを脱ぐ。

いつも帰りが遅いアイツに合わせて
夕食は8時過ぎに作ってる。



けど、
今日はいつもくれるメールが無かった。

それにアイツは合鍵があるから
インターホンなんて押さない。


だから玄関前に立ってるのが
アイツじゃないのは明らかだった。


多分アイツが頼んだ
野球の雑誌か何かだと思うけど…



それにしても時間帯が悪い。



配達員さんも8時過ぎて
働くなんて嫌だろうな…


「はあ…」


めんどくささをため息で吐き出して
笑顔で対応しようとドアを開けた。