意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「そうじゃなくてな、お前は本当に……」

ああ、どうして衣装をお揃いにしたと思ってる?
お前は、俺と同じ衣装で一緒に歩くからこそ、のびのびできるんだぞ。

いつものお前の追っかけも、文化祭でテンション上がって何するかわからないんだぞ?
いつもより開放感があって、知らない人も沢山来るんだぞ?
そいつらが、一人でフラフラ歩いているお前をほっとくか?

「お父さんかっての!
もうっ! 過保護! 大丈夫だったら」

お父さんはやめてくれ、と、俺は顔を引きつらせた。