あ~あ。この鈍感娘……。
思わず自分の顔を手のひらで覆う。

何を恥ずかしがる様子もなく、首かしげちゃってるわけ。

「どしたの立花ちゃん」

高橋が、面白いおもちゃを見つけたかのような表情を浮かべた。
キラキラと興味で輝く瞳を、立花に向けている。

「えと、瀬田があたしのおでこに……んむっ?」

左手で顔を覆って、右手はお喋りな鈍感娘の口を抑える。
もごもごと苦しそうに、俺と高橋を交互に見やる立花。

「バカ美空、言ってんじゃねぇよ?」

「へぇ?
おでこ……ねぇ?」

毎日見せつけてくれるよなぁ、と、高橋はますますニヤニヤした。