意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「わ、わかった……。
ちゃんと本人に、聞くわ……。
あ、でさ瀬田、もう一つ、いいか?」

「なんだ?」

「どんな風に聞いたら、良いかな?
いやほら、いきなりそんなん聞いて嫌われたりとかさ、驚かれたりとか、したくないじゃん?
上手い聞き方とかさ、ついでに彼女のタイプとか教えてくれると……」

……。
何で俺がそんなんアドバイスしなきゃいけないんだ。
しかもついでにタイプを教えろ?
それこそ本人に聞けよ。

俺はげんなりして、塩崎に返事することなく歩き出した。

タイプなんて、俺だって知りたいわ!

全く、立花狙いのこういう男には付き合っていられない。
俺なんかな、誰にも渡さない、振り向かせて見せるって思って4年目だぞ?
そうそうなよなよしたやつに、あいつを渡せないんだよ!