「あ、ウエディングカップルがイチャイチャしてる!」

「どれどれ!
あ、本当!」

「わー!」

騒がしい声に、美空が顔を上げた。
こら、キスの途中で目を開けるんじゃない、恥ずかしいだろう?

「も、バカ!
瀬田どいて!」

見られてるよ? と、美空は今更な事をいって恥ずかしがった。

「知ってるけど?」

こいつ、鈍くておもしろいなー。
さっきから囲まれてるの、気づかなかったのかよ?
結構な人数だけど?

「周囲に気づいてるなら、やめてよっ!
バカっ!」

もうっと怒って顔を背けられたけど。俺はめげない。
彼女の肩を抱いた