意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「う~、熱かった……」

美空は口を抑えて、俺が渡したお茶を飲む。
美空はやっぱり、俺の差し出す食べ物や飲み物に違和感はないらしい。
素直に口にして、ありがとう、とお礼を言われた。

「少し、座るか?
疲れたろ?」

「うん、座ろ」

ぐるりと運動場を囲む芝生に腰を掛ける。
俺たち以外にも、沢山の生徒達がそこに座って、肉や野菜を頬張っていた。

「おいしいね、瀬田!」

「はいはい、よかったね」

もぐもぐと、美空は嬉しそうにほどよく冷めたしいたけを口にした。