「美空?」

さっさと教室を出て、ぼ~っと壁にもたれる美空に声を掛ける。
あ、と小さく声を上げて、寄ってきた。

「瀬田、あのね……」

「なに?」

珍しい。
もじもじしている。
何だ?

「えっと、これからよろしくお願いします……?」

「え、何だよ、急に」

「や、だって、お付き合い、するから……」

言いながら恥ずかしくなってきたのか、だんだんと小さくなる声。
笑いがこみ上げる。