意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

「好きなんだよ、俺に、愛されてくれない?」

「いやもう許可なく勝手に愛しまくってるでしょ、瀬田君」

鈴木がうるさい。
まぁ、確かに……。
否定は出来ないな。

もぞもぞと美空が動くから、少し腕を緩めてやった。
きょとんとした紅い顔が、俺を見上げている。

「……瀬田、今のって、告白?
あんた……あたしをそーゆー目で見てたの?
……全然気付かなかった……」

「バカ、気付かなかったのお前だけ!」

鈴木が盛大に吹いた。