意地悪くんと鈍感ちゃんの初恋物語

一瞬、何があっ分からなかったらしい美空が、こっちを向いた。

「ほらまた!
なんでキスしちゃうの?!」

何で気づかないんだよ!
お前が何で、だよ!
もういい、この場ではっきり言ってやる!

「バカ美空!
お前はいい加減、俺の彼女になれ!
バカ!」

「……?
せ、た……?」

抱きしめた腕の中で、美空が小さく俺を呼んだ。