「見せつけてくれるじゃない!」

多分、俺も紅いだろう。
今更舞台であんなことした恥ずかしさがこみ上げてきた。

鈴木はニヤニヤと俺を見る。
そんな悪そうなニヤニヤ顔の親友に、美空はやっぱり気づいていない。

「ははは、もうおでこじゃガマン出来なかった」

舞台袖に適当に置かれた椅子に、美空を座らせる。
まだぼーっと、両手を頬に当てていた。

「……あ……」

「ん?」

何か言いかける美空の前に、かがんで目線を合わせる。
目があった途端、彼女はますます赤くなった。